いま、横浜市都筑区の大型マンションが傾いてしまった施工不良問題について大きく取沙汰されています。
地中に打つ杭について施工記録が改ざんされていた可能性があるものとして、国土交通省や横浜市は建築基準法違反の疑いもあるとみて本格的な調査に乗り出しました。
現時点では、施工業者が手抜き工事を行いデータを改ざんしたものとして国や市から調査されていましたが、施工を依頼した大手デベロッパーにも監督責任があったものとして、責任が問われるところです。

今回のマンション販売価格は3000万円~6000万円台。
立地や広さ等も悪くない新築戸建てよりも高かったりします。
購入された方々としては、管理など購入後のアフターフォローも含め、大手デベロッパーが手がけたマンションとしての安心感で購入された方も多いでしょう。
高額ですので、大切な資産としてもご購入されていたと思います。
大手なので補償はしてくれますが、もしかすると資産価値自体は下がってしまうかも知れません。

今回の件で、自分自身でも精査してマンションを買おうと考えた方も少なくないと思われます。
確かに、高額なものを購入するにあたってはリスク対策として、自分自身でもリサーチしたり判断する必要性はあります。
どんなに信頼のおけるエージェントへ依頼したとしても、自己の判断というのは必要不可欠です。

そこで、本記事ではマンション購入時のポイントをまとめました。
おさえておきたいポイントとしては、端的に挙げると下記になります。

マンション

1,デベロッパー選び

横浜市都筑区での今回の施工不良のように、必ずしも大手デベロッパーだから全て安心というわけではありませんが、何かあった際の補償等に関しては大手の方が安心感はあります。
一番最悪なケースとしては、何かあった際にそのデベロッパーが潰れてしまっていては補償等を受けられなくなってしまう事態です。
過去には大手デベロッパーが再生支援を受けたケースもあります。
可能であればそのデベロッパーの経営状況なども調べて選びましょう。

2,入居者の層

1人暮らしの人が多いのか、ファミリーが多いのか等の把握です。
外国人が多く住まわれるマンションもあります。
専有部分では一緒に住まないにせよ、マンション内では長く一緒に住んでいく人達になります。
住民の層や雰囲気に関しても、可能な限り現地で確認したいところです。

3,地震に対する建築構造の把握

耐震構造は建物自体が頑丈で地震に強くなっています。
免震構造は建物が柔らかさを持ち合わせている事で、地震の影響を軽減させています。
耐震構造は建物自体の倒壊などのリスクは減りますが、免震構造に比べると地震のエネルギー自体はそのまま伝わってくるので、壁のひび割れや家具の倒壊リスクは免震構造よりもあります。
一方、免震構造は建物に柔らかさがあり、建物が適度にゆれる事で地震の影響を軽減させますが、上階になればなるほど揺れは大きくなります。
また、横揺れに対しては強いですが、縦揺れに対しては弱さがあります。
それぞれ一長一短ある構造になっています。

4,コンクリートの厚さ

水とセメントの配分による質にもよりますが、基本的には厚ければ厚いほどいいと思って下さい。
鉄筋に対して3cm~4cmと建築基準法では定められています。
境界壁の厚さは通常18cm以上と定められていて、遮音性や防音性にも大きく関わります。
床の厚さも重要で、境界壁同様、防振性や防音性に大きく関係します。
騒音問題は、住民問題にもなりやすい点です。
防音性や防振性については、事前に現地で必ず確認しておきたいポイントです。
床の構造についても可能であれば確認しておいた方がいいかも知れません。
また、セメントが少ないコンクリートで建築した高速道路が阪神淡路大震災で倒壊したケースもあるので、コンクリートの質についても心配な場合は不動産業者へ聞いて確認しておきましょう。

5,壁のひび割れについて

中古マンションの場合は特にですが、壁などのひび割れや修繕状況については、しっかりと自分の目で確認しておきましょう。
専有部分はリフォームできれいにされているケースもありますが、エントランスや廊下など共有部分のチェックも忘れずに行いましょう。

5,大規模な修繕に対しての積立金について

修繕積立金

大体12年に一度、マンションは大規模な修繕を行います。
修繕費は住民のみなさんから毎月積み立てられてますが、大規模な修繕が必要になった折に足りなくなって、あとから高額な請求をされたなどといったケースもこれまでにはあるようです。
また、みんなで積み立てしている大切な修繕費について滞納者がいないかなど、管理の状況についても事前に確認しておきましょう。

6,高層マンションの修繕費用について

高層マンションは、高層を安全に維持するにあたり、通常のマンションよりも修繕費用が高くなりがちな傾向があるので、やはり将来的な費用負担についても事前に確認しておきたいところです。

7,高層マンション=高級マンション!?

高層マンションは、必ずしも高級マンションではありません。
専有部分の造りは、比較的安価な賃貸マンションと変わらないケースもあります。
現地で実際に確認してみましょう。

8,駐車場や駐輪場の防犯性など

駐車場

オートロックでも簡単に飛び越えられる塀などがないかは現地で確認しましょう。
車はいたずらされたり車上荒らしをされる事件も多いので、駐車場の明るさや見晴らしの良さも大切です。
駐輪場も同様です。
自転車は盗難されやすい乗り物です。
駐輪場の明るさや防犯カメラの設置有無や管理人さんの見回り状況、見晴らしの良さ等、管理の状況は把握しておきたいところです。
また、自転車は比較的安価な乗り物なので気楽に購入される方も多く、台数は増えがちです。
将来的にマンション全体での台数が増えた際にも余裕があるかも調べておきましょう。

尚、機械式の駐車場に関しては土地を有効活用した効率的な1つの方式ではありますが、車の出し入れには意外と時間がかかります。
また、機械の維持費や修理費がわりと高く、その費用は住民みなさんの修繕積立金からあてがわれるので、具体的な金額などは事前に確認しましょう。

9,用地地域についての把握

エリアによっては、コンビニ等を建てられないところもあります。
そのマンションがある地区が、どういった特性の地域なのか把握しておきましょう。

10,日影規制の有無

日陰規制がなければ、将来的に大型マンションが隣接して建設され、今より日当り状況が悪くなってしまう可能性もあります。

11,定期借地権について

定期借地権つきのマンションは安価ですが、いずれ解体されてしまいます。

室内の動作チェック、固定感のチェック

ドアや戸棚など開閉するものがきちんとスムーズに動作するかも確認しておきたいポイントです。
また、手すりなどの固定感についてもチェックしておきたいところです。
あとから不具合が分かった際、修繕費用が安くないケースも多々あります。

12,畳のサイズ

マンション用の畳サイズというのは、戸建て畳サイズの8割程度の大きさになっています。
ですので、実際に現地で広さを体感するのがベストです。
また、畳の数をJという単位で表記しているケースもありますが、それはその会社の中での基準サイズになります。
その会社のJが縦・横それぞれ何cmなのか確認しておきましょう。

13,キッチンのデザインや配置と実用性、キッチンの高さ

キッチン

キッチンが部屋の真ん中にあった場合、油が周囲へ飛び散って大変だったりするケースもあるようです。
また、デザインも大切ですが、キッチンの高さなど実用性は最重要です。
実際にそのキッチンへ立ってみて確かめましょう。

14,換気扇の性能や、換気の行いやすさ

これも実際に現地で動かしてみて確認してみましょう。

15,エレベーターの数

大型マンションの場合は、ある程度の数が必要です。
通勤時や通学時のみならず、何かあった際にもスムーズに利用したいところなので、エレベーターの数や利便性についても現地で確認しておきましょう。

16,共用部がバリアフリーかどうか

これから長く生活していくうえでは、チェックしておきたいポイントです。

17,下階が共用施設の場合

下階がエントランスなど共用施設の場合、一見して下の住民への振動を気にせず気楽とも思えますが、エントランス等が常に人の出入りがあり、夜中などに喋り声が聞こえてきてうるさかったりするケースもあります。

18,ゴミ置き場への行きやすさや、ゴミ置き場の管理状況

日常生活に欠かせない点ですので、これも重要なポイントです。

19,ベランダの向き

これは、あとからリフォームでも直りません。
通風や換気にも影響するので、実際に現地で窓を開けてみて確認しましょう。

20,間口の広さ

将来的なリフォームを視野に入れているのであれば、間口の広さは大事です。
壁をなくしたりして部屋を広くする事は可能でも、間口そのものはあとで広げる事は不可能です。

21,洗濯機スペースのサイズ

スペースの大きさによっては希望の洗濯機を置けない場合があるので、この点も注意が必要です。

22,視界的なプライバシー

カーテンをしなかった際、近隣からどう見えてしまうかの点です。
ベランダやバルコニーを実際に確認してみましょう。

23,ユニットバスの大きさ

パンフレット等ではUB○○●●という風に表記されています。
○○●●には数字が入り、最初の2桁が幅○.○メートル、あとの2桁が奥行き●.●メートルといった形です。
居室に対して適度なユニットバスのサイズ感というのは各自あるので、こちらもぜひ現地で実際に確認しておきたいところです。

24,給湯器の機能

給湯器によって、追い炊きの機能がある場合とない場合があります。

25,オール電化について

オール電化なのに高い!といったクレームは多いようです。
オール電化をあとからガスには切り替えられないものなので、慎重に検討したいところです。
老朽化による交換は10年に一度程度ですが、現時点ではガスより機材の交換費用が数十万円ほど高額ですので、そういった部分もふまえて経済的かどうかも思案しましょう。

26,床暖房について

床暖房は構造上、あとから追加が不可能に近い設備です。
付いてると思って付いてなかった場合ショックですので、必要な方は確認しておきたいポイントです。

27,エコジョーズ(給湯器)

熱効率がいいので光熱費は抑えられますが本体価格が高いので、元を取れるかの採算性については考えておいた方が無難です。

28,金利の変動制

金利の変動

マンションの完成には1年以上かかる場合もあります。
工事中に世の中の経済情勢が変わり、金利が上がる事もありえます。

29,コンシェルジュの必要有無

マンションの付加価値として流行りを見せるコンシェルジュ。
メリットとしては、クリーニングの手配など様々なサービスの提供、訪問に対しての防犯性の高さ等があります。
しかしながら、当然コンシェルジュへの費用はかかります。
みなさんから徴収される管理費として月に数千円ほどかかる場合が多いようです。

30,非難ハッチの有無

バルコニー(ベランダ)の床に非難ハッチが有る場合があります。
非難ハッチの有る場合、バルコニーへ巻いた水が下階の住民の洗濯物にかかってしまう場合があります。

31,給水方式について

主に、タンクへ貯水せず直接それぞれの家庭へ配水するタイプとタンクへ貯水して各家庭に送るタイプがあります。
貯水するタイプは断水時に心強いですが、タンクの清掃状況などについては確認しておきたいポイントの1つです。

32,スマートキー

電気式で便利ですが、セキュリティーは決して高くありません。
停電時の動作についても必ず確認しておきたい点です。
尚、キー紛失時は新しい鍵の作成に1万円以上かかるケースも多いようです。

33,共用施設について

プールなどは豪華ですので購入時には良く見えても、維持費が高く、ゆくゆくは使われなくなるケースもあります。

プール

34,点検口のチェック

キッチンや洗面所、天井にある点検口をチェックしましょう。
普通に生活するうえでは見えない部分ではありますが、水漏れやカビなどがないかは確認しておきたいところです。

35,ディスポーザーの設置可否

生ゴミを粉砕して下水へ流す機械ですが、マンションによっては始めから各家庭へ設置されている場合もあります。
便利ではありますが、マンションの販売価格にはディスポーザーの金額も含まれてきます。
また、修理に関しては、やはり修繕積立金からまかなわれるので、そのあたりの金額に関しても確認しておきたいところです。

以上が、マンション購入時の主なポイントです。
端的に列挙いたしましたが、これだけ押さえているだけでも、マンション購入時における様々なリスク対策になります。
また、マンションのご購入を検討されている方以外で、これから戸建ての購入をお考えの方にも上記ポイントは役立ちますし、これから不動産業界へ就職・転職されようとしている方にとっても知っておいて損のない内容になっています。
本記事が少しでもご参考になれば幸いです。