不動産業界で働くにあたって、まず必要となってくる実務として、登記情報の調査と建築確認があります。

登記情報の調査は、法務局へ出向いて調べる形で、特段、難しいものではありません。
建築確認に関してはチェックする項目が多岐に渡り、少し複雑です。
新築物件の広告には建築確認番号が必ず記載されているように、建築確認は法律で義務付けられています。

建築確認の申請はその建物の所有者が行うので、注文住宅の場合は買主が本来行うものですが、素人が申請を行うのは難しいので、不動産業者が代行するケースが多いです。
建売は不動産業者が建築確認の申請を済ませたうえで、販売しています。

建築確認とは、防火上、安全上及び衛生上支障がある建築物の建築を防ぐために、建築計画の段階で、建築主事又は指定確認検査機関がこれを審査する事を意味します。
つまり、新築する建物が建築基準法などをクリアしているかどうかの調査です。
デベロッパーをデベと不動産業者が略して言う事もあるように、建築確認についても建確と略して言う人もいます。

尚、建築確認が済むまでは、物件の宣伝や販売は行えません。
建築条件付きの土地を不動産業者が販売した際は、土地の売買を行ったあとに、買主の希望に基づいた建築確認を行います。
建築中に設計上の変更点があった場合は、あらためて申請する必要があります。

また、建築主は、建築物の建築等をしようとする場合には、工事着手前に建築計画が建築基準関係規定に適合するものである旨の建築主事または指定確認検査機関の確認を受け、確認済証の交付を受けなければなりません。

都市部はそのほとんどが都市計画区域内ですので、ほぼ建築確認は必要になってくるでしょう。
都市計画区域外でも、都道府県知事が関係市町村の意見を聴いて指定した区域内にある建物は、建築確認が必要になります。

提出された建築確認申請書のチェックは、特定行政庁もしくは都道府県の建築主事が建築確認事務として行います。
また、民間委託された不動産業者や設計事務所も、建築確認事務を行っています。

建築物の建築にあたっては建築基準法を筆頭に、都市計画法、宅地造成等規制法、防火地域・準防火地域の規制、消防法など、様々な基準があります。

建築確認は、こういった諸々の基準をクリアしているかどうかを調べます。
少しまぎらわしいですが、建築許可の確認ではありません。

では、具体的にどういった点をチェックしているのでしょうか。
規定には、大きく分けて単体規定と集団規定があります。
単体規定は、その建物単体での審査規定です。
集団規定は周囲の建物との兼ね合いを含めた審査規定です。
単体規定は全国どこでも適用され、集団規定は原則として都市計画区域及び準都市計画区域内でのみ適用される規定です。

それぞれの規定の代表的なチェックポイントとしては…

【単体規定】
・建築物の建築上の諸手続
・違反建築物及び適用除外危険建築物に対する措置
・安全、衛生上からの建築物の敷地・構造及び建築設備についての一般的規制
・建築協定、雑則
その建物自体の耐久性や耐震性、断熱性、シックハウス対策、アスベスト対策、居室の採光及び換気等について調べます。

【集団規定】
・道路関係の制限(接道義務、道路内の建築制限)
・用途制限
・容積率制限、建ぺい率制限、外壁の後退距離、敷地面積の制限、高さの制限
・防火地域・準防火地域内の制限
・景観地区内の制限
・地区計画等の区域内の制限
容積率、建ぺい率、斜線制限(北側斜線は除く)、隣地斜線制限、防火地域・準防火地域内の制限等、周囲が関係する点について調べます。

項目は多岐に及ぶので、建築確認は2~4週間かけて行います。

建築確認申請書の提出後も、建築工事中、建築工事完了後に各種検査が行われます。
建築物の建築等に関する手続きの概要としては、

建築確認

このような流れです。

建築主事へ建築確認申請書を提出した場合と、指定確認検査機関へ建築確認申請書を提出した場合とでプロセスが分かれます。

尚、建築主事は建築確認申請書を受理したときは、受理した日から7日以内に検査をし、建築物及びその敷地が建築基準関係規定に適合しているときは、建築主に対し検査済証を交付しなければなりません。
ちなみに建築主事は、この完了検査を自ら行わず、当該市町村または都道府県の吏員に委任する事も可能です。

物件購入者側としては、この検査済証をもらう事も忘れてはならないポイントです。
建築確認と、建築確認の申請通りにきちんと施工が行われたかをチェックする完了検査が行われたうえで、検査済証を取得していないと住宅ローンの融資を受けられない場合があります。
完了検査自体は建築確認と同様に必ず行わなければならないものとして法律で定められています。

以上が建築確認の概要です。
これから不動産業界へ就職・転職される未経験の方は、事前知識なしに就職先での研修のみに頼るより、こうした概要を知っておくだけでもだいぶスムーズに業務へ入っていけます。
慣れれば難なくこなせる作業ではあります。
最終的には実務経験を積むのが一番ですが、ぜひ本記事の内容をご参考にしていただければ幸いです。

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