営業には心理学を用いたテクニックというものがあります。
ですが、そういったテクニックを使って物を売るのは気が引けてしまうといったイメージを持たれている方も少なくないと思います。
そこで、本記事ではそれぞれのテクニックの心理学的な名称と内容、そして気が引ける事なく前向きに使えるためのポイントをご紹介します。

心理学を用いた営業テクニック

1.単純接触効果(ザイオンス効果、スリーパー効果)

はじめは嫌いだった芸能人や有名人をテレビCMなどで毎日のように見かけていると、むしろ好きになってしまう事は多々あります。
それは、この効果によるものです。

営業マンが挨拶回りをするのを見かけたり会っているうちに親近感が沸く事を用いた手法です。
顔を合わせるうちに親近感を持ってもらい、新たな受注に繋げたいという意図もあったりします。

ポイントとしては、しつこかったり不快感を与えてしまう接触は逆効果になってしまうので、相手の都合を考えて誠意ある適度な接触を図る事です。
相手の都合を考えない強引な会い方や売り込み等でなければ、顔を出す事自体は相手にとって不快には当たらず、むしろ誠意が伝わりやすいと思います。
はじめて顔を合わせた際は感触が思わしくなくとも、顔を合わせるうちにだんだんと相手の感触が良くなる事は多々あります。

ぜひ前向きに捉えましょう。

2.二者択一法

二者択一法

1つの提案だけして断られたら、そこで終わりになる場合もあります。
また、2つのプランを提案された場合、その両方を断るというのは心境的に難しかったりします。

ですので、2つのプランを定時して、そのどちらかを少なくとも選んでもらう方向へ持っていこうというのが、この手法です。

ポイントとしては、その2択が押しつけにならず、相手にとっても実際に選択肢が増えたり代替案なども提示された状態になり、相手にとっても1つだけ提案されたよりもメリットのある形にする事です。
そうすれば強引なやり方ではなくなるので、前向きに活用していただけると思います。

3.イエスバット法

人は誰しも否定されると嫌なものです。

ですので、まずは相手に同調し、そのうえで自分の考えを伝えるという手法です。
相手に同調する部分がYesにあたり、自分の考えを伝える部分がButにあたります。

ポイントとしては、「確かにその部分は同意ですが、この部分に関しては…」と続けて言ってしまうよりも「確かにその部分は、本当にそうだと思います。
ただ、もしかするとこの部分に関しては…」とワンクッション挟んで丁寧な感じにすると、結局は自分の意見が言いたかっただけという印象は持たれず、誠意ある印象を相手に持ってもらえます。

4.オープンクエスチョン

開放的な質問、つまり相手からどんどん自由に質問を受け付ける形でヒアリングを加速させる方法です。

ポイントとしては、色々な質問への対応力です。
質問に答えられなかった際、場合によっては信頼が下がってしまうかも知れません。

ですので、この手法は自分の営業に自信を持ててきた段階で行うのがベストです。
お客様にとっては自由にどんどん質問が可能なのはプラスなので、ぜひ機会があれば取り入れてみて下さい。

5.クローズドクエスチョン

前述のオープンクエスチョンに対して、こちらはクローズド、つまり閉めた形、限定した形になります。
質問をさせないようにするという意味ではなく、自由形式の質問よりも「はい」か「いいえ」での質疑応答の方が相手にとって適している場合に用います。

これは、「はい」か「いいえ」の質問に答えていってもらううちに、相手の趣向や考えなどが分かるというのがメリットです。
「はい」か「いいえ」の2択形式で答えていく形であれば、答える側としても負担が少なかったりします。
街角でのアンケートなどが、これにあたります。

オープンクエスチョンと使い分けて活用してみましょう。

6.フットインザドア

これはドア イン ザ フェイスの手法と比較すると分かりやすいです。

あくまで例えばですが、玄関へ訪問されてドアの上部へ顔を置かれた場合とドアの下部へ足を置かれて閉めづらくなった場合、どちらの方がドアを閉めづらいですか?
恐らく、顔を押し出された方がドアは閉めづらいと思います。

いずれにしてもドアを閉めづらくしてあまり良くはありませんが、イメージとしては上記にあたります。
フットインザドアの手法は大きなお願いや提案よりも、まずは小さなお願いや提案から行うことで、相手とまずは繋がり、営業の糸口を掴んでいこうという手法です。
粗品をあげて、その代わりといっては何ですがアンケートに少し答えてもらったりするやり方も、これにあたります。

ポイントとしては、相手の負担にならないささいなお願いや、相手にとってもメリットのある小さな提案などから入る事です。
この形であれば相手にとっても無理がないので、実行しやすいと思います。

7.ドアインザフェイス

前述のフット イン ザ ドアに対し、こちらははじめに大きなお願いや提案をしてみるという手法です。

例えば、はじめに安価な物の購入を検討してもらったあとに高価な物の購入を検討してもらうのは、相対的に見てとても高く感じたりします。
逆に、はじめに高価な物の購入を検討してもらったあとに安価な物の購入を検討してもらうと、相対的に見てとても安く感じます。
これは、そういった相対的な印象による心理学を用いたテクニックです。

ですが、元々売るつもりもない高価な物を先に見せる事で本当に売りたい物を安く感じさせるという手段には少し抵抗のある方もいらっしゃると思います。
ポイントとしては、実際その高価な物やサービスが値段相応の価値や効果があるうえで行えるのがベストです。

フェイスにあたる部分を完全なダミーやおとりにしないといった形です。
そうすれば、この手法に際しても前向きに活用していただけると思います。
また、この手法は営業のみならず、普段のお願い事や交渉などにも応用可能です。

例えば、休日出勤の打診などで、最初は少し余裕を持った長めの勤務時間を提案し、相手の状況や感触によって、提案した側も勤務時間を短くしたりなどして折れる形です。
最初に短めな時間を言っておいて、あとからやっぱりもう少し長めで…とお願いするよりは、相手にとって心理的な負担の少ない形で収まります。

8.好意の返報性、嫌悪の返報性

好意の返報性、嫌悪の返報性

ギフトの法則とも呼ばれます。

返報性とは、簡単にいうと返ってくる性質があるという事です。
人は相手から好かれて嫌な思いはしません。
自分に対して好きだと言ってくれたり好意的に接してくれる人を好きになったりするものです。

一方、否定的なスタンスで接してくる人に対しては、こちらも反発的なスタンスになってしまったりします。
これは、その心理学を用いた手法です。
相手の人柄や取り組み、方向性、商品、サービス、社風などに惹かれているのを伝え、相手にも自分を好きになってもらう形です。

ポイントとしては、わざとらしい感じにしない事です。
本当に実際、魅力的に感じていたり惹かれている事に対して、本当の気持ちを伝えましょう。
そうすれば、自分も相手も嫌な思いをする事なく、円滑なコミュニケーションや営業へ繋がると思います。

9.メラビアンの法則

アメリカの心理学者メラビアンさんが提唱した法則です。

メラビアンさんは、人が物事に際して、何を重視して判断するのかという研究を行いました。
結論としては、視覚情報、聴覚情報、言語情報の順に重視しているという事が判明しました。

半分以上は視覚情報により判断されています。

第一印象は見た目で決まるというのも、少なからずこの法則が当てはまっています。
ですので、服装や髪型などは相手からの好印象が得られるよう清潔でわきまえたものにしたり、リーフレットの見栄えや商品のパッケージなどが映えるようにしたり工夫をしてみましょう。

10.バックトラッキング

うしろから追跡という直訳になりますが、つまり、相手の言動に共感して続いていく手法です。
共感や同意を持たれて嫌な人はいません。
そういった気持ちを持ってもらえると、人は親近感が湧きます。

逆に否定的なスタンスは、嫌悪感などに繋がります。
ですので、相手に共感し、同意し、「私もその通りだと思います」など相手に賛同する発言を繰り返すのはプラスであり、これはそういった手法にあたります。

ポイントとしては、やはりわざとらしくならない事。
物事は見方によって様々に捉えられます。
プライベートでの私人としては反対意見を持っていても、仕事をするうえでの公人としては両方の見方が出来た方がベストです。
ですので、そういった柔軟な視点を持ち合わせ、私人として私見を主張する事は保留し、公人として相手の立場を理解し共感する事は社会人としてはむしろ良い事なので、そこを前向きに捉えましょう。

11.ロミオとジュリエット効果

ロミオとジュリエット。
愛し合う2人は困難が多いほど心が燃えたりします。

つまり、困難があったり競争があった方が営業的にも興業的にも盛り上がるという戦略です。

たとえば「A社からは、このような打診を受けています」と、相手のライバル企業から好条件のオファーをもらっている事などをあえて明かし、その相手からも好条件を引き出したい場合などに用います。
内定が出ている学生は他の企業からも魅力的に映り、他社へ採られる前に自社で採用しようといった構図などが生まれるのも、ロミオとジュリエット効果に通ずる部分があります。

ポイントとしては、不用意な釣り上げを用いない事です。
わざとらしく自慢げに自分や商品・サービスなどの価値を釣り上げるようなやり方は、かえって敬遠されてしまいます。
あまり自慢のような形にならないよう使えるのがベストです。

12.ハード トゥ ゲット

hard to get、直訳すると”得るのが難しい”。
つまり、「これは手に入れるのが難しいですよ、希少な物ですよ、あなただけの限定商品ですよ」といった手法です。
人数限定での特価が、これにあたります。

ポイントとしては、実際に限定的にする事で価値を高めたり、限定的だからこそ低価格が実現可能だった点などを背景にする事です。
そうすれば、偽りの限定商法などと違って良心の呵責なく営業が可能だと思います。
実際に、限定的にすれば価値は高まります。
逆に、たくさん流通させると価値は下がります。
また、限定的だからこそ、お試し価格などの特価が実現可能だったりします。
そのあたりのバランスを取った結果の手法が、こちらにあたります。

13.カクテルパーティー効果

カクテルパーティー効果

様々な会話がなされるパーティーでも自分に関する話が聞こえてくると自然と反応してしまったりします。
これは、その効果を狙ったものです。

例えば、不特定多数に宛てた同じ文面が印刷されたDMよりも、そこに一手間を加えて手書きで◯◯様という宛名を書いたりすると、それだけで文面を読んでもらえる率が上がったりします。
ポイントとしては、バランスです。
あまり多用してしまうとしつこくがっついた印象を与えてしまうので、程良いバランスで配置すると誠意が伝わりやすくベストです。

14.セルフマニュピレーション

マニュピレーションとは、操作を意味します。
つまり、自己による操作。

イメージとしては、実演販売を思い描いて下さい。
販売員が実際にその商品を使って実演しているのを見て、とても魅力的に感じた経験はありませんか?
これは、その原理です。

書面などの資料だけよりも、実際にそういった現物を見せて操作した方が、相手には格段に伝わりやすかったりします。
ポイントとしては、しっかりとした口調で、しっかりと商品などを見せ、分かりやすく相手へ伝える事です。
どんなに良い商品でも、販売員の口調や動作が頼りなければ売れづらくなってしまいます。
このスキルは効果的なプレゼンテーションに繋がりますので、ぜひ積極的に活用してみて下さい。

15.セルフプレゼンテーション

自己のプレゼンテーションです。
相手が理論派な場合は自分も論理的な説明を展開したり、相手がフランクであれば自分もフランクになる事で、相手からの好印象や親近感を得られます。
そういった、商品のみならず自分自身も相手に応じて変えていくのが、この手法です。

ポイントとしては幅広い知識と、相手に応じた柔軟なコミュニケーションです。
これは相手にとってプラスしかない手法ですので、セルフマニュピレーション同様、ぜひ積極的に活用してみましょう。

16.第三者話法(お客様の声)

「このサービスは絶対にオススメです!!」と熱弁するよりも、「このサービスはお客様からも絶大な信頼を得ています」と伝えて具体的な資料を見せたり、有名人の名前を挙げて「◯◯様にもご利用いただいてます」とご案内した方が、かなり効果的だったりします。
これは、その理論です。

営業のみならず、教育の場面などにも応用が可能です
ポイントとしては、責任転嫁のような形にはしない事です。
第三者の声を借りるという事で信憑性が高くも聞こえますが、ややもすると「◯◯さんは、こう言ってました」と責任逃れをしてしまう事も可能です。
あくまで、お客様など相手へ現実味や説得力を持って伝えられる手段の1つとして活用しましょう。

17.バンドワゴン効果

バンドワゴン効果

いわゆる群集心理に近いものがあります。
バンドワゴンとは、マーチングバンドなどの列で一番先頭の華やかな車両です。
華やかな車両に惹かれ、人が人を呼び、どんどん集まってきます。

飲食店などでは、お店の前に並んでいる人がいると更に人が集まってきたり、「人気No.1」というようなフレーズがあると利用してしまったりしまいがちです。
そういった効果が、これにあたります。
ポイントとしては、サクラを使うとかではなく、まずは実際にその商品やサービスの魅力を高め、実際に売れているという安心感を他のお客様にも知っていただくための手段として用いる事が出来るとベストだと思います。

18.片面提示&両面提示

片面提示とは、良い点だけを伝える手法です。
両面提示は、長所と短所の両方を伝える手法です。
これらの手法は、場合によって使い分けるのがベストです。

たとえば、成功報酬型でビジネスを行っていて、成功報酬額も低い場合。
依頼する側にとってはリスクやデメリットは皆無に近い形なので、片面提示でメリットを積極的に紹介しましょう。
一方、同じ成功報酬型でも成功報酬額が高い場合。
これは良い面だけでなく、依頼を達成した暁には費用が高い事を事前に伝えておかなくてはなりません。
あらかじめ伝えておく事で、あとになってのトラブルも未然に防げたり、その商品やサービスの短所と思われる部分もきちんと伝えてくれていて誠意ある対応をしてくれていると信頼も増す場合があります。
ポイントは、ケースバイケースでの使い分けです。

ささいな欠点でも伝えてくれて良かったと思う人もいれば、逆にそのささいな欠点のために不必要なまでに不安になってしまう人もいるかも知れません。
ですので、その状況に応じた適切な使い分けをするのが大切になります。

19.バーナム効果

アメリカで興行師をしていたバーナムさんが由来の、バーナム効果。
「みなさんは」ではなく「あなたは」など対話形式で営業や宣伝を行う事で、通常よりも効果的な結果を狙った手法です。

通販のテレビCMやネット広告、DMなどで目にした事はあると思います。
ポイントとしては、あまり不安をあおるようなフレーズにしない事です。
「みなさんは」という不特定多数よりは「あなたは」という対話形式を用いる事で、親近感を覚えていただくのがベストな形だと思います。
不用意に不安をあおって営業する方法でなければ、むしろ親近感が湧いたり良い事ですので、ぜひその方向で活用してみて下さい。

20.希少性の原理

いわゆる限定商法に用いられている手法です。
限定的にするのは数だけでなく、期間も有効です。

ポイントとしてはハード トゥ ゲットの項目でも触れましたが、偽りの限定にしない事です。
実際、限定する事でその商品やサービスの価値が高まっていて、なおかつキャンペーン価格なども実現されているのをアピールする事です。
この形であれば、ベストです。

21.ピグマリオン効果、ローゼンタール効果

元々は教育心理学において実証された効果です。
簡単に言うと、講師へ対して「そのクラスはテスト結果に優れた優秀な生徒達が集まっている」と魅力的にすり込んだ結果、講師のモチベーションが上がり、実際その生徒達の成績を上げたという実証結果です。

つまり、人は期待されると良い結果を出しやすくなるといった内容です。
たとえば、お客様に教材を買ってほしかったとします。
その教材は実際、そのお客様にとってかなり有効なものです。
ですが、お客様は購入をためらっていたとします。
そういった際に、「◯◯さんなら、この教材を使えば絶対に大丈夫です!! 私も鋭意フォローしますので、ぜひご購入をご検討下さい!!」と背中を押してあげる事は決して悪い営業活動ではありません。
ここがポイントです。
強引に背中を押すのではなく、そこから一歩踏み出せた結果、実際その人や周囲の人達にとってもプラスになる局面で、ぜひ活用しましょう。

22.ラポールトーク

ラポールとは、英語の”リポート”をフランス語で発音した形です。
つまり、レポートトーク。
相手へ自分の感情をレポートし、共感してもらい、円滑な会話へと繋げる手法です。

ときとして感情を率直に伝えるのも、ややもするとドライになりがちなビジネスシーンにおいては有効です。
ポイントとしては、あまり多用しない事。

基本的にはビジネスというのは個人的な感情を切り離した業務ですので、ラポールトークはここぞというときにだけ、本当に相手へそれを訴えたい・分かってもらいたいときにだけ使いましょう。
ちなみに、相手にとってプラスとなる情報を伝える会話手法はリポートトークと呼ばれています。
相手にとってメリットのある話はビジネスシーンにおいて重要ですので、こちらも合わせて修得しましょう。

23.ローボール

ローとは低い、すなわち低いボール。
フット イン ザ ドアの手法と共通する要素もありますが、こちらはあとで高い要求をするというよりは、他のプランなどもあとから色々と提案していく形になります。

無料のゲームアプリで、アイテムが課金などの場合がこれにあたります。
ポイントとしては、ローボールにあたる部分がしっかりとしている事。
それがしっかりとしていれば相手にもメリットがあり、あとからの提案に関しても費用対効果の高いものとして捉えてもらえます。

24.カリギュラ効果

ローマ帝国の皇帝カリギュラをモデルにした映画『カリギュラ』が由来の効果。
あまり公にしていない情報を相手へ提供する事で、相手の興味や信頼感・親近感を増長させる手法です。

ポイントとしては、あまりテクニックに走った使い方をしない事です。
色んな人に対して「これは、ここだけの話ですが…」と言ってしまうのは、あまり良くないかも知れません。
ですので、本来であれば公にはしづらい内容を、社則や道徳に反しない範囲で相手に教えてあげる事で、興味や信頼感・親近感を得るのがベストです。
例えば、他社製品のちょっと不便な部分などを、その他社をとがめる事なく「実は、A社様のその製品は◎◎の部分はとても優れているのですが、この部分に関しては○○でして…」といったような形で話せると、あまりテクニック然とした形ではなくなり、ベストです。

25.イエス誘導法

相手がイエスと答える質問を繰り返していく事で、一番イエスと言ってほしい事案についてもイエスと言ってもらえるような流れを作る手法です。
ポイントとしては、ポンポンと質問を繰り出して思わず相手がイエスと言ってしまった事に対して「はい!!いまイエスと言った?!!契約?!!」というような、詐欺的かつ小学生の遊びのような使い方は避けましょう。
相手にとってプラスで前向きな内容を幾つか確認していく中で、いい流れや雰囲気を作り出し、結果、一番重要な事案についても前向きに考えてもらえるような下地作りのための手法として用いられるとベストです。

26.プラシーボ効果

「これはすごく効く薬です」と偽薬(プラセボ、薬としての成分が含まれていないもの)を投与された患者がメンタル的に上向き、結果、フィジカル的にも病状が良くなったという事が由来の効果です。
この手法はお客様へは使えませんが、社内では応用が可能です。

例えば、自社の商品に自信がなくて販売へ消極的になっている営業マンがいたとします。
その商品自体は、実際にはそんなに悪い物ではありません。
商品が良くない、売りたくないと思っていれば、売れる物も売れません。

ですので、そういった営業マンへ対しては、場合によってはこの手法が有効です。
その商品の良いところを教えてあげて、プラスの意識を持たせてあげる事です。
気の持ちようで、事態は好転します。
この手法の本質は、そこにあると思います。

もちろん、欠陥品を販売させるのは良くないので、ある程度きちんとしっかりした商品を売っているというのが前提です。
完全なプラセボにはしない事です。
自信を持てていない商品に対して、その商品の良いところを教えてあげて自信を持たせてあげるなど合理的な活用をしましょう。

27.ミラーリング

ミラーリング

ミラーとは鏡、つまり、相手の言動のマネをする手法です。
友達がちょっとふざけたおもしろおかしい言動をした際、それをマネして盛り上がった経験はありませんか?
それです。

営業の場面では、たとえば相手がよく笑う人であれば自分も笑ったり、相手が寡黙でよくうなずく人であれば自分も真面目にうなずいたりして相づちを打つと、親近感が沸いて印象や信頼が増します。
使用するポイントとしては、変にマネした形にならないようにする事です。
あからさまなマネは相手を馬鹿にしているように映ってしまう事もあります。
あくまで自然に、誠意を持って真剣に商談などを行っている中で相手と心が通じ合った事で結果として、ナチュラルにミラーリングが発動するとベストです。

28.アンカリング効果

アンカー(印)を付ける事で印象度を上げる手法です。
ただの無機質なリーフレットよりも、手書きや手書きのようなアンダーラインや印が付いていると、親近感を感じてもらえたり効果的だったりします。

八百屋さんなどでも、元々の値札へ赤のペンで値引きして表示したりする事があると思います。
それがアンカリング効果です。
値札を差し替えるよりも、赤いペンなどで上書きした方が相対的に安く感じたり印象的だったりします。

ポイントとしては、同じ箇所や場面で多用しない事です。
多用すると、効果の価値が下がってしまいます。
また、はじめからそれが前提だったと思われてしまったり、「いつも値引きするから値引きされるまで買わない」といった事態にも陥ってしまうかも知れません。
適宜、バランスよく使えるようにしましょう。

29.マジックナンバー

7はラッキーナンバーとして人気です。
1や3は野球の背番号でも人気ですが、一般的にも他の数字に比べて人気の傾向があります。
そういった人気の数字、キャッチーな数字を用いる事で効果的な営業を行おうという手法です。

たとえば、”絶対おさえよう!! 重要項目42選”よりは、”絶対おさえよう!! 重要項目77選”の方がインパクトやキャッチーな感じがあり、目を引くと思います。
ポイントとしては、合理性も兼ねる事です。
本来であれば42である重要な項目を無理に77まで増やす必要はありません。
その場合は、更に内容をしぼって39(サンキュー)などにすると内容の充実度とキャッチーさを兼ね備えた形になれます

いかがでしたでしょうか。

心理学は効果的な営業へ応用可能ですが、一番大切なのは相手やお客様への熱意・誠意です。
熱意や誠意を余す事なく伝えられるための手段として、今回ご紹介したテクニックを活用してみて下さい。