【ふりかえりの方法】KPT法を使って今後の改善に努める

個人としても組織としても、振り返る機会というのは必ず必要になります。
その際、ただ漠然と振り返るよりもKPT法といったワークフレームに沿って振り返ると、今後の改善策が明確に導き出されたりします。

KPT法は振り返りの代表的なワークフレームで、現場改善のミーティングなどにも多く用いられます。
KPTのアルファベットは、それぞれの単語の頭文字です。

K=Keep:キープしたい事、つまり、良い事
P=Problem:問題、課題
T=Try:トライ、KeepとProblemを踏まえたうえで取り組みたい事

このような内訳です。
KPTは、ホワイトボードなどを使って行う形が一般的です。
図としては、下のようになります。

KPT

これがシンプルなようで、意外と効果があったりするものです。

手順としては、まずKeepとProblemの項目にどんどん内容を書き込んだり、付箋や紙に書いたものを貼り付けていきます。
一通りKeepやProblemについてリストアップが完了したら、その内容を踏まえたうえで、Tryについてどんどん思いつく限り書き溜めていきます。

ポイントとしては、KeepやProblemのリストアップは必要以上に深く考えず、どんどん思いつく限り書いてみる事です。
その業務や作業・工程の中で良かったと思われる点、また、悪かったと思われる点について、とにかく書き溜めます。
あまり深く考えてしまうとリストアップされる事案が出づらくなってしまうので、思いつく限りどんどん気楽にストックしていきましょう。

グループで行う場合は、他の人と観点をすり合せなくてOKです。
個人的に感じた良い点・悪い点をどんどんリストアップします。
各自の自由な観点からリストアップされた事案の数々が肝になります。

KeepとProblemについてのリストアップが完了したら、各自が読み上げていきながらみんなで詳細について確認を行ったり、意見を出し合いましょう。
状況が許すならば、固くならなくてOKです。
みんなで和気あいあいとチームディスカッションのような雰囲気で行えると自由な発想も出やすくなります。

ただし、あまりおちゃらけすぎてしまうと完全な遊びになってしまうので、そこは注意しましょう。
ある程度はとりまとめ役などリーダーのいる環境で行えるといいかも知れません。

Problemに関してはKeepと同時にリストアップで構いませんが、場合によってはまずは良いところをどんどんあげていって、そのうえで問題点に入る流れだとスムーズでしょう。
KPTを一挙に同時に考える形は取りません。
その後Tについて堅実な考察が行えるよう、しっかりとした土台作りを行います。

Keep、Problemが終わったら、いよいよTryです。
コツとしては、KeepとProblemをブレンドしてTryを導き出すよりも、Keepを元にしたTry、Problemを元にしたTryをそれぞれイメージして書き出していくとスムーズになります。
良かった点を踏まえて更に良くする改良策、悪かった点を踏まえた改善策といったところです。

場合によってはKeepやProblemと対応するTに共通の数字を割り当てて整理すると見やすくなります。
そして、Tryが一通り出揃ったら、その中で取り組むべき優先順位を考えます。
ここまでがKPTです。

注意点としては、ただの反省会議で終わらせない事です。
KPTはあくまで、良かった点や悪かった点を見据えて、今後に向けた改善点や改良点を見出す事を目的としています。
状況報告や反省会議とはまた違った趣旨のもので、KPTのワークフレームをしっかりと手順に沿って活用し、繰り返し行う事で業務改善や状況改善に繋がっていくものだと意識しましょう。

尚、あまりProblemに比重が行ってしまうと暗く重たいものになってしまうので、KeepとProblem、長所と短所・美点と欠点の両面を見られるようにする形が
ベストです。
とりまとめのリーダーも、あまり悪い部分だけを見て反省会のような雰囲気にしてしまわないよう気をつけたいところです。

また、K・P・Tそれぞれの項目について具体性がないと話がまとまらないので、抽象的にならないようにする事も、かなり重要です。
たとえばKeepについて、「雰囲気が良かった」と抽象的に挙げただけでは、漠然としてしまいます。
ですので、「1人ひとりのお客様を目にかけて声をかけた事で相談会の雰囲気が良くなった」など、具体的な点でリストアップしていく事を心がけましょう。

以上がKPTの概要です。
行う時間や周期、人数に関しては、職場の状況などに合わせて適宜実施する形がいいと思います。
目安としては、1週間に1度、チームディスカッション的な位置づけで行えるといいかも知れません。
重たい会議というよりはチームディスカッションのような方向性にマッチしたシンプルながらも効果の高いワークフレームですので、ぜひ気楽に活用してみて下さい。