不動産業界IT化における危険性【現地対応の物件には気を付けろ!】

不動産業界もIT化が進み、不動産の管理に関してサイトを利用して仲介業者に情報提供している企業もあります。

そのサイトを閲覧するにはIDとパスワードが必要で、サイト内から物件の空室情報等がわかるようになっています。
最近、そのサイトを悪用して窃盗をするという事件がありました。

どのような事件が起こったのか

どのような事件が起こったのか

ここだけのお話だと意味がわからないと思いますので、少しまとめてみました。

1,ある不動産業者の仲介業者向けのサイトのIDとパスワードを不正に入手

2,そのIDとパスワードを使って空室情報を取得。

3,他人のクレジットカードを利用し商品を購入。送り先を空室情報で得た物件の住所宛てにする。

4,商品が届く時間帯にその物件に侵入し、商品を受け取る。

このような流れになります。

今回のケースは盗品の送り先に使われる形でしたが、現金をだまし取る詐欺にも使われる可能性がありますので、十分注意したいところです。
ではなぜこのような事が起こったかというと、

・サイト内へ不正にアクセスされた。
・サイト内には物件の空室情報だけではなく、その物件の鍵の場所も記載されていた。

物件を内見する際、現地対応ができる物件というものがあります。
今回はその物件が狙われたという事です。

現地対応というのは、空室の物件があったとして、その付近(パイプスペースなど)にキーボックスというものが設置されており、そのキーボックスの中に物件の鍵が入っていて、その鍵を利用して内見できるという内見方法です。

そのキーボックスを開けるには暗証番号が必要で、その暗証番号も空室情報と合わせて流出してしまった形です。
現地対応の物件というのは、暗証番号とキーボックスの場所がわかれば誰でも入る事ができます。

どうすればこのような事件を防ぐ事が出来るか

ポイント

今回のケースで気を付けなければいけない1番のポイントはキーボックスの管理方法です。

通常、キーボックスの場所や開け方は管理業者が保管していますが、仲介業者の方が内見したいという時は、仲介業者の名刺をもらった後に電話でキーボックスの場所や開け方を教えます。
通常の流れであれば今回の事件は起こらなかったと思いますが、サイト内にキーボックスの場所や開け方まで載せていたのは失敗だったと思います。
例え、空室情報がバレたとしても鍵の開け方さえ知られなければ勝手に入られる事はありません。

ただ、現地対応の物件であれば内見をする仲介業者にはキーボックスの場所や開け方を教える形になりますので、定期的にキーボックスの場所や暗証番号を変更するというのが良いと思います。
中には、現地対応という仕組みをなくせばいいと思う方もいらっしゃると思いますが、きっと現地対応はなくならないと思います。

というのも、現地対応はお客様をご案内するのに最短で案内する事ができる方法だからです。
スピードを重視する仲介業者の方は、現地対応の物件を好みます。
鍵取や立会いになると内見の日程を設定したりするのに時間がかかってしまうからです。
また、管理をする不動産業者側からすると入居するかどうかわからないのに、その物件の立会いだけのために現地に行かなくてはいけないので、効率を考えると現地対応が好まれるのではないでしょうか。

鍵取や立会いは高級な物件に多いと思います。
オートロックがついている物件やタワーマンションになると鍵取や立会いがほとんどではないでしょうか。
ただ、あまりにも物件が遠い場合などは現地対応にする場合もあります。

いかがでしたでしょうか。
正直、実際にこのような事件が起こるとは想像もできませんでした。
今後の対策としてはキーボックスの場所や開け方は電話で対応する形にし、定期的にキーボックスの暗証番号や場所を変更するのがベストだと思います。

以前は不動産業界は電話やファックスがメインでしたが、これから不動産業界のIT化が進み、ネットが主流になっていく可能性があります。

その際は悪用されないように各企業が工夫して対策を講じないと、オーナーさんからの信頼を損なってしまいますので気を付けたいところです。