企業の率直なニーズとして、『ガッツのある人材』というのは非常に多くあります。
根性論というと、ややもすると敬遠されがちですが、実際ガッツというのはどんな業界・職種でも最重要のポイントだったりします。
かの堀江貴文氏も「何をやるにしても結局は気合いと根性。東大に入りたければ、とにかく勉強する。商売をやっているのであれば熱心に営業する。成功への道は本当に気合いと根性、それだけなんです。」と断言しています。
確かに、ガッツがあればたとえ不器用でも粘り強く継続してチャレンジし続け成長しますし、世の中、行き着くところ何をやるにしても最後は根性だと言っても過言ではないと思います。
根性というと、嫌な事を我慢して…といった敬遠されがちなマイナスのイメージも多くあるかも知れませんが、決してそうではありません。
最近、YouTubeが「好きなことで生きていく」というキャッチフレーズで有名配信者を取り上げてPRを行っています。
実際、そうした有名配信者の方々は動画配信を苦とせず、まず自分自身がそれを好きだから続け、結果として視聴回数が多くなり、それにより広告収入などを得ています。
継続して行うという事には根気が必要ですが、好きな事を配信しているので、無理なく続けられています。
これはまさに理想形です。
もちろん、苦労がなかったわけではありません。
しかし、少なくとも彼ら・彼女らは、それを苦痛と思いながら続けていたという事実は一切ありません。
このように、まずそもそもその仕事が好きであれば、苦労を苦労と思わず取り組める事が出来るので理想ではありますが、なかなかそういった天職へ就けるとは限りません。
そのような天職へ就けている人は、世の中のほんの数%もいないと思います。
大抵の人は、営業であったり販売業であったり、決してそれが趣味のように好きな事ではありませんが、仕事が大変だなと感じながらも一方でやりがいも感じたりしながら、そのバランスの中で生きています。
いわゆるサラリーマンである方々は、ほとんどがこのような心境をお持ちでしょう。
何か特別にクリエイティブな能力があったり特殊スキルがあれば別ですが、ほとんどの人は既存の職種へ就職し、雇用され、その職務へ勤しみます。
そうした中では、やはりある程度、仕事は仕事であるといった自覚やメリハリを良い意味で持ち、仕事上の困難に対しても粘り強く継続して取り組んでいく必要があります。
その心構えとしては、電通の鬼十訓が非常に参考となります。
少し根性論が入り過ぎていると感じられる方もいらっしゃるかも知れませんが、これは本当に仕事をするうえでの本質を突いています。
下記が、その十訓です。
1. 仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
2. 仕事とは、先手先手と働き掛けていくことで、受け身でやるものではない。
3. 大きな仕事と取り組め、小さな仕事は己れを小さくする。
4. 難しい仕事を狙え、そしてそれを成し遂げるところに進歩がある。
5. 取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは…。
6. 周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。
7. 計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる。
8. 自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
9. 頭は常に全回転、八方に氣を配って、一分の隙もあってはならぬ、サービスとはそのようなものだ。
10. 摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。
これは本当に仕事をするうえでの必要な姿勢が集約されています。
指示待ちの姿勢では、ただの作業員になってしまいます。
やりやすい仕事しかしていないのでは、進歩もありません。
取り組んだからにはきちんと成し遂げるのも必要ですし、いい意味で周囲の人間を上手くコントロール・マネジメントするのも必要です。
計画にも長期的な視点があれば、自分に更にどのようなスキルが必要となってくるかも考えますし、新しい企画やアイデア等も常日頃から考えたりします。
そして、愚直に粘り強く取り組んでいれば必ず成果も上げられ、自分の仕事にも自信を持てますし、木が年輪を重ねるように人物的にも深みのある人間になれます。
また、仕事をするにあたっては摩擦や交渉、折衝的事案は付き物です。
そうした事案から逃げず、取り組み続ける事に活路は見出せます。
少し厳しくも感じられたかも知れませんが、この電通の鬼十訓は働くにあたり非常に重要な心構えを示しています。
これをしっかりと受け止めて取り組むだけでも、間違いなく成果は上がります。
ただし注意点としては、決してこれを他人に押しつけない事です。
このような根性論は、あくまで自分自身がそれを必要だと感じ自覚する事で効果があります。
やみくもにそれを他人へ押しつけても逆効果です。
ですので、職場へ新しく入ってきた若手に対してマネジメントや教育を行う際は、押しつけにならないよう、段階的かつ丁寧なOJT等を通じて、その中でこのような考え方も徐々に共有していきましょう。
自分自身に対して律し戒めて取り組むには、効果抜群の訓示です。
こうしたガッツを持って取り組んでいれば必ず就職や転職の場でも生きてきますし、その後、働いていくにあたっても必ず生きてきます。
粘り強く取り組むという姿勢を大切にして生きている人とそうでない人とでは、時が経つにつれ、雲泥の差が生まれます。
これからも時代は変化し、終身雇用もなくなり、本当に実力がある人が評価され、正規雇用されて生きていく時代になる予想もあります。
そうした時代の変化へ備える意味でも、やはり常に実力というのは磨いておく必要があります。
仕事をするにあたっては人間関係も含め色々あると思いますが、その仕事が好きだったり興味を持って取り組める事であれば、頑張れる要素も多々あると思います。
粘り強く取り組む事で自分の実績を積み重ねたりスキルを磨き、自分に合った会社へ就職・転職し、やりがいを持って仕事に取り組めて充実した日々を過ごせるよう、どうか頑張ってみて下さい。