近年、注目を集めている『仮説思考』といった手法。
現代における重要なビジネス・フレームワークの1つとしても挙げられます。
手法としては、売上を伸ばしたい・新規事業を軌道に乗せたいなどいった際に、仮説を立てて実行するという、まさにネーミングそのものです。
ですが近年なぜこの思考が注目されているのかというと、マーケティングに時間や労力をかけすぎてしまっている傾向が各所において見られるようになってきたからです。
たしかに、マーケティングは重要です。
各種マーケティング理論を基に的確に取り組めれば、その効果は高いでしょう。
しかし、マーケティングはあくまで手段です。
最終目的は売上を上げることであり、その1つの手段がマーケティングなのです。
ですので、あまりマーケティングに時間や労力をかけすぎてしまっては、元々は売上を上げるのが目的だったはずなのに、マーケティングを行ってデータ収集することが目的化してしまいます。
マーケティングは大切ですが、あまり必要のないデータまで収集することに時間や労力をかけすぎてしまっては、本末転倒です。
手段と目的が逆転してしまいます。
ビジネスでは手段と目的が逆転してしまう状況というのは往々にして起こりえることですが、それを防ぐための1つが仮説思考というアプローチです。
取り組み方としては、とにかく仮説を立てて実行すること。
シンプルです。
しかし、これが思いのほか効果テキメンだったりするのです。
仮説を立てるにあたっては、経験であったり、ロジカルな思考力や洞察力、理論や知識、業界の動向を把握していることなど様々な素養も大切になってきますが、まずはとにかく仮説を立てて実行してみることが大切です。
社運をかけたような事案であれば慎重にもなりますが、それ以外の取り組みというのは、意外とまずやってみることがとにかく重要だったりします。
ですので、仮説思考で重要なのは思考力と共に、スピードです。
マーケティングなどといった考察に時間や労力がかかりすぎてしまうのを打開すべくアクションでもあるので、とにかくまずは一定の推測に基づいた仮説によって、スピーディーに取り組むことが大切です。
ダメならダメで、また仮説を立て直して取り組めばいい、ただそれだけです。
世の中的にデキるといわれる人達は、この仮説思考と実行力に優れているとも言われています。
成功した起業家や実業家の多くも「まずは、やってみよう」といった方向性で、とにかく前進させることに重点を置いている傾向もあります。
そういった意味では、仮説を立てる思考自体も重要ですが、仮説を基に具体的なアクションを起こすことが最も重要とも言えるでしょう。
とにかく、仮説を立ててトライ&エラーで取り組み続けることが大切です。
はじめのうちは、その仮説が外れることも多いかも知れません。
しかし、そこで落ち込んで終わりにせず、常に仮説思考のスタンスを忘れなければ、徐々にその能力も磨かれ、的確な仮説をスピーディーに導き出せるようになります。
マーケティングに時間や労力がかかりすぎるよりも仮説に基づいてどんどん試行錯誤を繰り返すなかで前進していけるというのが1つ理想ではあるので、まずはスピード重視で取り組みましょう。
仮説を立てるにあたっては経験も重要ですが、何となくの直感や主観では、建設的ではありません。
論理性のある仮説を立てるには、やはり何らかの根拠や裏付けとなるデータは欲しいところです。
関係のないデータは省きましょう。
そうした選別も、仮説思考のプロセスでは大切です。
様々なデータを基に複眼的に物事を考察し、そのうえで尚且つ、オリジナリティのある仮説を立てられるとベストです。
競合他社に打ち勝つ仮説思考の場合、誰にでも思い浮かぶような仮説では状況を打開できないので、論理的でありながらも斬新な仮説というのは非常に有効です。
また、仮説のヒントというのは目の前のデータだけにあるとは限らないので、視野を広げ、柔軟に取り組みましょう。
尚、仮説を立てただけでは仮説思考ではありません。
あくまで、仮説を立てたうえで実践を繰り返すのが仮説思考です。
仮説思考を鍛えようと日頃から仮説を立てているだけでは、決めつけや主観のが要素が多い思考性にもなりかねません。
仮説を踏まえたうえで実践するというのを繰り返すこそ仮説思考であると捉えましょう。
以上が仮説思考の概要です。
仮説思考はビジネスシーンでの使用にも適していますが、就職活動や転職活動にも適しています。
その企業がどういった人材を求めていて、自分のどこをアピールすれば採用してもらえるのかを考える部分などは、まさしく仮説思考にあたります。
就職活動や転職活動でいきなり仮説思考を使ってトライ&エラーを繰り返すのは良くありませんが、常日頃から日常生活でも仮説を立てて取り組む意識を持っていれば、おのずと少しずつロジカルシンキングの力は付いてきます。
本記事が何か少しでもご参考になりますと幸いです。