ラグビーの五郎丸歩選手の活躍で、一躍脚光を浴びた「ルーティン」という言葉。
今年の流行語大賞も取りそうな勢いです。

英語ではroutine、意味としては「決まりきった手順や日常の仕事」を表します。
いわば、日課といったところです。

スポーツの世界では決まりきった仕事という意味とは少し違って、「決められた動作や一連の動き」として定義されています。
こちらは、いわば””として捉えられます。
五郎丸選手はキックをする際、お祈りをするようなポーズから毎回同じ型でゴールを決めます。

五郎丸選手の活躍で脚光を浴びたルーティンですが、イチロー選手のそれも以前から注目されていました。
バッターボックスへ入る前の屈伸であったり、ピッチャーと相対した際の武士道のようなポーズであったり、当時ルーティンという言葉で取り上げられてこなかったにせよ、こうしたイチロー選手の一連の動作も以前から注目を集めていました。
イチロー選手は他に、グランドへ入る際は右足からと決めていたり、そのルーティンは徹底しています。

ルーティンに関しては特にスポーツ選手が徹底している傾向があり、五郎丸選手やイチロー選手以外にも独自のルーティンを重視している選手はたくさんいます。
ルーティンの良さとしては、本質へ入る前の”型”を統一することで、メインである”本質”へ集中しやすくなれる点にあります。

五郎丸選手もイチロー選手もルーティン自体は統一していますが、その先にある”ゴールを決めること”であったり”ヒットを打つこと”に関しては、ゴールポストの方向へ向かってその都度調整したり、ピッチャーから投げられたボールに対してその都度調整しています。

つまり、成果を上げるための本質的なアプローチに関しては適宜柔軟に対応しますが、そこにたどり着くまでの”型”は統一しているのです。
こうすることで、成果を上げることという本質的な部分のみに集中できます。

これが仮に毎回その動作を変えていたとすると、それまで培ったフォームが崩れるのはもちろん、気持ち的にも落ち着かなくなります。
スポーツにおいてフォームというのは特に重要で、たとえば野球ではせっかく資質自体は良くてもフォームを見失ってしまい、そのまま活躍できずに終わってしまうピッチャーもいるほどです。
それぐらい、フォームやルーティンといった”型”は重要なのです。

また、ルーティンを一定にすると、自分自身の変化にも敏感になり、不調にも気づいやすくなります。
また、自分の”いいときの型”を知っているので、それと照らし合わせることでスランプも脱出しやすくなります。

このルーティンの大切さはスポーツのみならず、実は仕事にも言えます。

びっくり

ルーティンとルーチン、発音の違いはありますが、2つとも同じroutineです。
routineの元はroute(ルート)、つまり”根”、根本です。
ルーチンワークというと決まりきった単純作業と捉えられがちですが、仕事へルーティンを生かしたい場合、作業をルーティンとするのではなく、目的のための”手段”をルーティンとするのです。
そうすることによって、仕事の効率や生産性は確実に増します。

たとえば、電話でアポイントを取る際
色んな曜日・色んな時間に漠然と行うのではなく、曜日や時間を自分の中で設定し、その中で「絶対に成果を上げるんだぞ」と取り組みます。
フレーズや、相手の反応によっての切り返しも、ある程度”型”を作っていき、それを踏襲します。
そうすることによって、自分の中でもメリハリが付いて、精神的にも安定します。
漠然と闇雲に何となく気が向いたときに行うよりも確実に成果は上がります。

スポーツのルーティンでは「なりたい自分をイメージするのが良い」とされていますが、それと同じように、仕事でも自分が上げたい成果をイメージして、それまで自分が培ってきた手法やスタイル・リズム、いわば”ルーティン”に沿って業務を行います。
こうすることで、目的意識も高まる効果もあります。

そして、”入り口”を一定にすることで”出口”である本題や本質へ集中できるのです。
仕事であれば、たとえば交渉やアポイントメント獲得などがそれにあたります。

また、そういったルーティンを一定にすることでミスも防ぎやすくなります。
たとえば、アポイントメントを獲得した際は必ず日時を復唱するなどの動作をルーティンとして一定にしておけば、訪問に際しての基本的かつ重要なミスを防げます。

また、仕事においてのルーティンは局所的な使用法だけに留まらず、たとえば起きる時間や寝る時間を一定にすることで体調管理に役立てたりなど、そういったマクロ的な使用にも効果を発揮します。

大事なのは、基本を抑えたうえで、それを自分なりに昇華・発展・アレンジし、自分なりの成功パターンをルーティンとして創り上げていくことです。
イチロー選手のルーティンや振り子打法は、まさにそれと言えるでしょう。
基本の進化系です。
イチロー選手が活躍しはじめた頃は振り子打法を批判する解説者や指導者もいましたが、イチロー選手の活躍につれ、むしろイチロー選手のバッティング理論がスタンダードとなっていきました。

いま一番の旬なワードとも言える、ルーティン。
動作を一定にすることで、本質へ対してのアプローチが高まります。
実際にやってみるとその良さを体感できる機会も多いと思うので、ぜひ日々のお仕事にも取り入れてみて下さい。