5Sと聞いて、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか。
iPhone5Sが思い浮かぶ人も多いかも知れませんが、今回はその話ではございません。
職場環境整備の基本5Sについてが、今回のお話です。

5S

5Sというのは、全てサ行で始まる「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」の5つをなぞらえてネーミングされたスローガンです。
元々は製造業における現場環境の整備に使われていましたが、製造業に限らず様々な業種でも大切な事なので、現在では業種・業界問わず幅広く導入されています。

きちんと整理整頓されていなくては、どこに何があるか分からなくなってしまい、その都度それを探す事で、仕事の生産性は落ちてしまいます。
きちんと清掃されていなくては異物混入などのリスクが高まりますし、お客様も離れてしまいます。
身だしなみの清潔感も重要です。

また、それらを実行していくには1人ひとりの意識が大切で、そのためには従業員へのしつけとして習慣化させていく必要があります。
一見、ごく基本的な事柄ではありますが、業務で何か滞りが発生している場合、意外と5Sに関する出来事が原因になっているケースというのは多いものです。

5Sで一番重要な点は、しつけです。
しつけと言うと堅苦しくも感じますが、つまりは従業員への意識づけ・啓蒙が5Sの大切な点になります。

冒頭で5Sが元々は製造業の現場で用いられたものであるとご紹介しましたが、製造業での5Sは本当にあなどれないポイントです。
たとえば、年中、大規模な工場を稼働させているシーンを想像して下さい。
そこでは毎日、生産が行われています。
そんな中、日頃の整理整頓不足があったとします。
1日あたりで見ると仮にその影響は大きくなかったとしても、それが1ヶ月、1年と続いていくと、とても大きな影響となってしまいます。

数字で考える

数字で考えていただくと分かりやすいかも知れません。
整理整頓など5Sがしっかり出来ている状態の1日の生産量を100とします。
年間では、100×365=36500です。
しかし、これが整理整頓もきちんと行われておらず、どこに何があるか分からない環境で業務が滞り、1日の生産量が60になってしまったとします。
1日あたりでの差はたったの40ですが、これが年間を通しての差になると、とても大きなものになってしまいます。

この状態で年間を通じて業務を行うと、60×365=21900です。
これを先程の36500から引いてみると・・・
36500-21900=14600にもなってしまいます。
大規模な工場では、生産量も大きいですが、何か滞りのあった際の損失も大きくなってします。
この14600は1億4600万円の損失だったり、ときとして14億6000万にさえなりえます。

このように考えていただくと、いかに5Sがあなどれないか分かっていただけると思います。
製造業のみならず、接客業や営業だったとしても、この5Sをどこまで出来ているかの差は確実に仕事の生産性へ繋がっていて、1日単位での差・1ヶ月単位での差・年間単位での差として次第に大きく表れてきます。

5Sの神髄というのは、ここにあります。
単に「整理整頓をしっかりしよう!」と社内へ通達するだけでなく、従業員の意識そのものを向上させていく事に本質的な意義があります。
壁に5Sのスローガンを掲示するだけでは、なかなか改善されていかないものです。
なぜ5Sが重要なのかを従業員へ伝えてあげたり、コーチングやアサーションのスキルも活用して従業員のモチベーションを高める事も、しつけを指導する側は大切になってきます。

見逃せないポイントである5S

簡単なようで、見逃せないポイントである5S。
5Sの5つそれぞれの意味について広義に捉えると、様々な場面や現場への応用も可能です。
たとえば「清潔」に関しては、お客様との健全な関係性と考える視点もあります。
「整頓」に関しても物理的なもののみならず、適材適所での人員配置として捉える形もあります。

5Sは工程的な業務の管理のみならず、様々な職場や経営下での環境改善に通ずる要素を含んでいます。
シンプルなようで奥深く、とても大切なスローガンです。
企業によっては5Sに更にサ行で始まる「すぐに」「しつこく」などを追加して、キャッチャーで覚えやすい形で徹底させているケースもあるようです。

就職や転職で職場に新しい人が入ってくる事は多いと思いますが、この5Sをきちんと整えておく事で指導や通達がスムーズに行き渡ったり、業務が円滑に進んだりもします。

基本のようで意外と見落としがちな5Sの大切さについて、本記事がご参考になりますと幸いです♪