企業規模問わず、どの企業でも人材に対して求めているのはコミュニケーション能力だったり、やる気だったりします。
やる気とは、ガッツ・熱意・前向きに粘り強く取り組む姿勢などを含めます。

では、コミュニケーション能力とは、何でしょう。

ややもすると、明るく振る舞う事がコミュニケーションだと捉えられがちですが、企業が求めているコミュニケーション能力は、それだけではありません。
社内では疑問点を放置せず自分から進んで確認したり相談するスキルや、社外ではお客様に対して一方的に話すだけでなく丁寧なヒアリングを行えたりなど、そういった双方向の円滑な意思疎通を積極的に行える事が、すなわちコミュニケーション能力があるものとして捉えています。

一方的なものは、コミュニケーションとして良い形ではありません。
指示を仰いだり、そして言われた事をそのままにするだけでなく疑問点や難しい点があった際は相談したり提案するスキルなど、そういった双方向でのやり取りのスキルを諸々含めてコミュニケーション能力と総称しています。

よく聞かれる声としては、「指示待ちの人が増えた」というのは、かなり耳にします。
もしかすると、時代的なものも少しあるかも知れません。
商品やサービスが日に日に進化している現代ではありますが、恵まれた環境で人々のリテラシー自体は少し下がってきているようにも感じられます。

トップダウン・ダウントップ、いずれにしても一方的な形ではなく双方向での円滑なコミュニケーションの実現においては、自己開示というのは必要不可欠です。
開示とは読んで字のごとく、開いて示す事。
すなわち自己開示とは、自分に関する情報を周囲に対してオープンにする事です。

自己顕示や自己呈示とも少し違っていて、自己顕示は「自分がすごいんだぞ」というのを周りへ見せ示すようなもので、自己呈示とは「自分はいい人間ですよ」というのをアピールするものです。
それに対し自己開示は、自分のいい部分も悪い部分も意図せず相手にさらけ出す事で、結果、相手との円滑なコミュニケーションが可能になります。

初めて会ったのに話をしやすい人などは、わりとこの自己開示が自然と上手く出来ていて、飾らないところに相手が安心感を寄せて、スムーズなコミュニケーションを取れている場合も多いです。

これが仮に、自分の事を隠す人だったら、どうでしょう。
隠す内容に関しては、事実や内心・本音など様々です。
いずれにしても相手にとって話づらくなり、ビジネスシーンのみならずオフのプライベートなシーンにおいても、あまりこういったかたくなな姿勢は双方向のスムーズなコミュニケーションからは対極のものになってしまいます。
自己開示の不足は、誤解やトラブルを招き、孤立にも繋がります。

つまり、ビジネスシーンのみならずスムーズなコミュニケーションが行え、円滑な人間関係で生活を営むには、この自己開示は1つ必要不可欠なものなのです。

自己開示の重要性については、「ジョハリの窓」がとても参考になります。
ジョハリの窓とは、アメリカの心理学者ジョセフ・ルフトとハリー・インガムが提唱した、対人関係における気づきのグラフモデルです。

ジョハリの窓

図としてはこのような形で、4つの領域があります。

①は自他共に知っているオープンな領域です。
②は、自分では知らないが他人は知っている領域。すなわち、相手からの指摘で気づく事が出来る盲点の領域です。
③は、自分では知っていても他人は知らない領域であり、隠している内容がここにあたります。
④は自分も他人も知らない未知の領域です。

ジョハリの窓で考えると、この②や③にあたる領域を①へシフトさせていく事で、よりスムーズなコミュニケーションが行え、円滑な人間関係が構築可能であると位置づけています。

確かに、仕事においても指摘されて気づかされる事は重要です。
また、隠し事も良くありません。
そこを解決していくには、まず自分がオープンになる事です。

自己開示には返報性というものがあります。
平たく言えば、自分がオープンになると、得てして相手もオープンになるものです。
結果、より円滑なコミュニケーションが行え、仕事もプライベートも順調に進んでいったりします。

コミュニケーションや人間関係が苦手な人は、自分自身がまず閉鎖的になってしまっているケースも多くあります。
ですので、このオープンな開放領域を1つ大切にして取り組んでみましょう。

ただし、あまりひけらかしのような開示は相手にとって不快ですし、笑えない失敗談などは仕事の信用も損ねてしまうのでどこまでをオープンにするかは気をつけたいところです。

たとえば、企業へ勤めて車の販売をしていたとします。
そこへ、新卒で仕事を始めたばかり、免許も取ったばかりの若者が車を買いにきたとします。

「私は仮免を2回落ちてしまったんですが、そのあとは何とか全て1発で合格しました」というようなエピソードは場合によっては話も進んでいいと思いますが、「新卒で車が買えるなんていいですね、この会社は新卒にはボーナスなんて全く出してくれなかったんですよ」というような話は、たとえそれが本音でありオープンにしたとしても、自分や会社への信頼を損ねかねません。
ですので、どこまでオープンにするかはTPOをわきまえ、的確に判断する必要があります。

この自己開示のスキルは、就職・転職、職場、商談の席、プライベートなど、ありとあらゆる場面で生きてきます。
不動産業界での営業や交渉・折衝関連でも、必ず生きてくるスキルです。
また、社内での人間関係構築や評価にも必ず関係してくる要素です。

TPOに応じた自己開示で、コミュニケーション豊かな、より良い暮らしを目指しましょう。