景気の上向きと共に、不動産業界でも雇用は好調の兆しを見せています。
実際、募集に関しても欠員の補填というよりも業績好調につく業務拡大にあたっての増員は目立ちます。
そこで、不動産業界で働くにあたって率直なところ皆さんが気になられている実情を、今回いくつかレポートいたします。
まずは事務職。
こちらは以前ですと宅建+不動産業界での事務経験(契約書の作成、重要事項の説明など)が必須の傾向が強かったですが、景気の上向きによる増員傾向や宅建試験の難化傾向により、経験面では緩和されつつあります。
事務職であれば宅建必須の企業は変わらず多いものの、経験に関しては必ずしも不動産業界での事務経験がなくとも可のところも増えてきています。
割合的には、ざっと半々だと思います。
「まずは宅建を持っていて一般的な事務経験があれば、契約書の作成や重要事項の説明については教えます」といった企業が増加傾向にあります。
残業は、事務職に関しては総じて少ない傾向があります。
営業職に関しては、その業務内容は多様化しつつあります。
営業の入り口だけ見ても反響営業なのか新規開拓営業なのかの違いもありますし、そうした入り口から契約業務・引き渡しまで一貫して総合的にワンストップで営業を行っているところもあれば、とにかく入り口の集客に比重を置いている企業もあります。
残業時間については、平均すると、ざっくり1時間半程度といったところでしょうか。
これもその企業によって様々で、閉店後の作業で30分ぐらいのところもあれば、毎日のように遅くまで取り組まれている企業もあります。
業界自体がゴリゴリ・ガツガツ成長していた時期に比べると、労基法やインターネットによる影響で、全体としては減りつつあります。
しかし、残業が多い企業が決して悪いわけではありません。
世の中には、残業してでも稼ぎたいという人もいるものです。
そういう人にとっては、残業が多くても稼げる企業というのはベストマッチでしょう。
雇用に関しては、ミスマッチが一番怖いです。
入社してからそのミスマッチが分かり、企業・労働者の両者にとってマイナスになってしまうパターンは一番悲しい結末を迎えてしまいます。
そうしたミスマッチを減らすには、企業側としては誇大広告にしない事が1つ重要です。
たとえば、ベンチャーマインドに富んでいて自分から積極的にどんどん仕事をして進める社風が根付いているのであれば、「決まった業務を単にこなせばいい楽な仕事です」と謳ってしまうと、ギャップが生まれます。
「自ら考えて行動していただく事も多いですが、その分やりがいもひとしおです」という様な表現に差し替え募集した方が、結果としてお互いにとってスムーズに運ぶでしょう。
また、求職者サイドとしても意識を高める事は重要です。
近年ややもすると受け身な人が増えてきている傾向がありますが、職場は学校ではありません。
教えてもらう事を前提とするのではなく、自分から率先して確認したり仕事を覚えようとする姿勢は絶対に持ち合わせておきましょう。
楽に高給を得られる仕事はない、成果を出す事によって給与が支給されているといった基本の意識も忘れないようにしたいところです。
就職や転職はよくお見合いにたとえられる事も多いですが、実際そうした面は大いにあります。
求職者の方の中にも、まずは街の小さなアットホームな賃貸から始めたいという方もいれば、投資系の売買をやりたいという方もいるなど、各自のニーズは様々です。
同様に、企業が人材に求めるニーズというのも様々だったりします。
”平均的な家庭”というのは実際なかなかないもので、平均すると何となくそういったものも見えてくるかも知れませんが、実際は各家庭でそれぞれカラーがあるように、企業にもまたそうした社風や風土はあります。
”普通の人”というのも実はなかなかいないもので、実際は十人十色、それぞれがそれぞれの個性や”変わった点”を持ち合わせて生きていたりもします。
こうした現実を踏まえると、行き着くところ就職や転職というのはお見合いのようなもので、マッチングやフィーリングがかなり重要となります。
フィーリングを確かめ合っていただくには面接が1つ一般的な手段となりますが、それ以前にそもそも実際マッチしていると思われる面接へきちんと行けるかどうかの点は大きいです。
管理の職種に関しても最近は多様化の傾向が強くなり、保全的な管理を行っているところもあれば、リノベーションや入居率のアップまで含めた営業的な要素までを管理として設定している企業もあります。
同一職種内でも、その企業によって社風や業務内容は様々です。