不動産へ就職・転職をする方必見!押さえておきたい14の業界用語

未経験で不動産への就職や転職を考えている方は、不動産業界の仕事の流れや仕事で使う業界用語など、あまり知らないかもしれません。
そこで今回は不動産業界へ就職・転職する際の心得と知っておきたい用語を説明したいと思います。

不動産へ就職・転職をする際の心得!

不動産へ就職・転職をする際の心得!

不動産への就職や転職を考えている方は、「衣食住」の「住」に当たるので、人が生活する上で重要となる「住」というお仕事に就きたいと考えている方が多いのではないでしょうか。

「住」とはまさに住むという事ではあるんですけど、不動産業という中で考えると一部にしか過ぎません。

例えば、事務所。事務所は「住」ではないですが、人が働く場所という大事なモノになります。また家でもマンションだったり一戸建てだったり、はたまた富裕層向けのリゾート物件だったり、多岐に渡るお仕事があります。

その中で自分はどのような方と関わり、どういうモノを提供したいのか、それをまず考える事が不動産業へと踏み出す第一歩になると思います。

僕自身、不動産に就職し様々な事を学びました。宅建の知識以上に必要な事もたくさんありました。それを踏まえ、今後不動産へのお仕事を考えている方達のために、これは覚えておいたほうが良いという用語をお伝えしたいと思います。

不動産業界でよく使われる用語集!

不動産業界でよく使われる用語集!

①客付業者

客付業者というのは主にお客様を連れてくる業者です。1階に店舗があって、窓にいっぱいチラシが貼ってある不動産業者です。不動産流通機構(REINS)等から物件を探し、お客様に物件を紹介します。駅前にある不動産屋は大抵が客付け業者です。(例えば、エイブルさんとかアパマンショップさんとかがこれにあたります。)

②元付業者

元付業者というのは主に不動産をお持ちの方から直接依頼されている業者です。元付業者は不動産流通機構(REINS)等に物件を登録し、客付け業者に物件の情報をお知らせします。

客付業者=入居者
元付業者=物件

というように、客付業者はお客様を連れて来て、元付業者は物件を紹介するという形です。
実際、内見する時に現地へ行ったら知らない人が鍵を開けてくれたことはありませんか?そのような経験がある方はわかりやすいと思いますが、現地に連れて行ってくれた人が客付業者で、現地で鍵を開けてくれた人が元付業者となります。

③AD(エーディー)

AD(エーディー)は不動産業者では常識中の常識です。ADとは、元付業者が客付業者に支払うお礼金みたいなものです。(ここでいうお礼金とは、よくある敷金・礼金の礼金とは厳密には違います。)

ADはadvertisement(広告費)のことであり、仲介手数料にはあたりません。

通常、入居者は客付業者に仲介手数料を支払います。このような形で元付業者は物件の所有者(オーナー)から仲介手数料をもらいます。
元付業者はオーナーからもらう仲介手数料の中から何割かを客付業者に『入居者を連れてきたお礼』としてあげるわけです。
それはなぜでしょう?空き物件に早く入居させたいからです。

今この話をした段階では、元付業者ってかなり損してるんじゃないの?と思った方もいらっしゃると思いますが、元付業者はオーナーからの信頼を大事にします。
というのも、多少自分の取り分が減っても次に繋がった方が後々は結果オーライだったりします。
例えば、オーナーからの信頼を得て、物件の管理を任された。(管理費が毎月入ってきます。)
オーナーから新しい物件をお願いされた。(オーナーは複数の物件を持っている事が多いので、他の物件を数件お願いされた。)
など、今もらえる利益よりも、オーナーからの信頼を得た方がプラスになるという訳ですね。

客付業者も仕事なので、ADが高ければ高いほどその物件を選ぶ可能性が高くなります。
なので、元付業者はADの調整によってお客様が決まるか決まらないかの大きな要因となってきます。
まぁ、人気のある物件ならADつけなくても決まっちゃうので、良い物件には大抵ADはついてないことや少ない事が多いと思います。

AD

④旧耐震・新耐震基準

1981年(昭和56年)6月1日以前に建てられた建物は旧耐震基準、以降に建てられた建物は新耐震基準となります。

これは絶対に覚えといて下さい。絶対聞かれます。

ちなみに軽く内容をさらうと下記の内容です。

・旧耐震基準:震度5程度の地震に耐えることができる住宅
・新耐震基準:震度6強以上の地震で倒れない住宅

⑤東京都耐震マーク

旧耐震基準の時に建てた建物でも新耐震基準に適合している場合や適合していなかったけれど、耐震補強等を施し新耐震基準に適合した建物には、東京都から東京都耐震マークというシールを交付してもらう事が可能です。(大きさは15cm×15cmの正方形です。有名なデザイナーの方がデザインしたみたいです。)

旧耐震建築物で新耐震基準への適合が確認された建築物の場合は「耐震診断済」、旧耐震建築物で耐震改修により耐震基準への適合が確認された建築物の場合は「耐震改修済」、新耐震基準の建物には「新耐震適合」という形でシールに表示されてます。

このシールが貼ってある物件のオーナーさんにあったら「すごいですね、この建物は安心ですね!」と言ってあげましょう。きっと喜びます!

⑥指値(さしね)

わかりやすく言うと、ある物件が賃料10万だった場合、その物件の内見に来た人が「9万円だったら借りたいんですけどなんとかなりませんか?」というような値引き交渉みたいなものですね。よく、「指値入っちゃいました。」って言います。

不動産業界の場合、ほとんどの物件で指値が入ります。
そしてそれはみんなわかっていて、どれぐらいなら安くできるかもみんな把握しています。
なので、内見をしに行った時は値引き交渉をした方がいいと思います。
それで安くできるならその場で値段を提示してくれますし、難しい場合だと渋い顔をします。内見の際は指値が入ることを前提に望むのがいいと思います。
想像以上の指値を入れてくれる人もいるので、そういう人にははっきり難しいと言いましょう。

営業の際に役立つ持ち物

⑦営業の際に役立つ持ち物

僕が営業をしていた時に1番役に立ったのがメジャーです。
客付業者、元付業者問わず、メジャーは絶対持っておいた方がいいでしょう。
壁の高さや、冷蔵庫置場の大きさなど、図面ではわからない部分がありますので、内見の際にお客様が気になっているとこがあったら率先して図ってあげましょう!
後はコンパスがあれば尚良しではあると思いますが、今は携帯のアプリなどでもあるので、そちらで代用する方がいいと思います。

⑧写真

入居者を募集する際に重要なのが、写真です。
外観だけではなく、中の様子とか駐輪場とか、内見してみたいと思わせるには写真が重要な決め手のひとつになります。

その写真なんですけど、撮るのが意外と難しい。
当初、僕は写真を撮るのが下手でした。また、僕がうまく撮れたと思った写真も下手だなって言われました。
要は、僕のセンスがなかったんだと思います。でも、これは訓練すればうまくなりますので、自分の家を練習台に写真撮影の練習をするのがいいと思います。
また、いろんな物件の写真を見ながら、どういう風に撮れば良く見えるのかを勉強しておいた方が今後の為になると思います。
写真を撮ることは不動産の仕事をする上では切っても切れない仕事のひとつですしね!

⑨登記事項証明書

不動産のお仕事をしているとよく「〇〇物件の登記簿取ってきてー!」とよく言われます。その場合は法務局に行って取得するわけですが、僕がよく取得していたのは、
・全部事項証明書
・登記事項要約書
以上の2種類でした。

全部事項証明書というのは抵当権の設定、解除はいつされたとか、所有権はどのような流れで今誰が持っているかとか、登記記録に記載されている全ての事項を見ることができます。

一方、登記事項要約書は現時点で発生している事項が記載されています。
中には所有者がたくさん変更になっている物件もあるかと思いますが、要約書には現時点での所有者が記載されています。

登記事項証明書を申請する場合、地番が必要になりますので申請する前に確認するのがいいと思います。
地番は住所とは違いますのでご注意を!地番は、その住所が分かれば管轄法務局に電話して「この住所の地番を知りたいんですけど」って言えば教えてくれます。

全部事項証明書と登記事項要約書に関して、注意しなければならないのが取得方法と種類です。
取得に関しては、全部事項証明書はどの法務局でも取得できますし、インターネットからの申請にも対応しています。
ですが、要約書に関しては管轄法務局でしか取得することができません。
種類に関しては、一戸建ての場合は土地と建物と2種類あります。
ですので両方欲しい場合は2種類申請しましょう。
また、土地が1筆ではなく、例えば3筆だった場合は土地3種類、建物1種類の計4種類を取得する必要があります。
また区分所有建物(マンション等)の場合は土地は敷地権として建物の証明書とひとつになっている場合があるので、その場合は建物の証明書を1種類でオッケーです。(敷地権の場合は大丈夫ですが、土地が借地権の場合は建物とは別に土地の証明書を取得する必要があります。)

登記事項証明書

⑩重要事項説明書(35条書面)

契約の話が進むにつれて、作成しなくてはならないのが重要事項説明書と契約書です。

その際、重要事項説明書に記載する内容の中で調べなくてはいけない項目が出てくると、それを調査しに行きます。

僕はこの調査が好きでした。区役所行ったり、電話で聞いたり、空白の部分を少しづつ埋めていくのが楽しかったです。
ですが、なかなか疲れます。区役所によって部署がいろいろとあるので、ある区役所は調べやすかったり、またある区役所はかなり時間がかかったり、その区役所によって特徴があります。また、調べる内容によっては区役所だけでは足りない場合もあります。

宅建の勉強をしといて良かったなって思える時はこの時だと思います。

住居なら市街化区域なのは当たり前ですが、用途地域はなんなのか、とか道路幅員は何メートルあるのかとか、造成宅地防災区域なのかどうかとか、いろいろと区役所の方に聞いた時に理解できたのは役に立ったと思います。

一番面倒なのは都や区で定める条例です。
高度地区とか景観地区とか宅建に出てくるのはわかりやすいのですが、すごく長い名前の条例もあれば、要件が細かい条例もあったりします。

調査によってはたくさん条例がある場合がありますので、そんな時はかたっぱしからパンフレットをもらいましょう。

話だけ聞いても調査している物件が対象に当てはまるかどうかわかんない時や所員の方が何話しているのかわけわかんない時がありますので、パンフレットをもらっておいて後でゆっくり調べるというのが良いと思います。
なので、話を聞いた後に「その内容のパンフレットありますか?」と尋ねるようにしとくと良いと思います。

耐震診断の有無や石綿(アスベスト)の使用の有無の記録とか駐輪場とか駐車場とかは管理会社に聞くことなので、マンションだと1階にいる管理人さんに聞くことになると思います。

⑪フリーレント

これは賃貸に関してですが、フリーレントというシステムがあります。例えばフリーレント3ヶ月と書いてある物件は3ヶ月間賃料を払わなくて大丈夫ですし、フリーレント1ヶ月であれば1ヶ月間賃料を払わなくてもいいという内容です。
これは恐らくなかなか決まりづらい物件についてるか、もしくはオーナーさんが早急に入居させたいかのどちらかだと思います。

ここで注意する事はフリーレントは契約日から発生するという事です。

例えばフリーレント1ヶ月の物件があって、その物件を8/1に契約して、9/1に入居します。という場合は8/1から1ヶ月間賃料を免除される形です。

入居する9/1からではなく、契約した8/1からフリーレントが始まります。なので、8/1~9/1までの間は住んでいないけど、もし部屋の中でトラブルがあったりした場合は借主の責任になるわけです。

お客さんとか客付業者の方の中には住んでから始まるものと思っている方もいますので、フリーレントの開始日は契約日(契約書に記名押印した日)から始まることは覚えておいて下さい。(フリーレントの項目は特約欄に記入します。)

フリーレント

⑫保証会社

僕は不動産の会社に勤めるまで保証会社を知りませんでした。保証会社というのは、借主に連帯保証人がいない場合や連帯保証人を立てたくない時に、保証会社が保証人になるというサービスを行っている会社です。

保証会社のサービスを受けるには審査があり、それを通ると保証会社が保証人になってくれます。審査基準は企業によって様々なので、通りやすいとこもあれば通りにくいとこもあります。
ほとんどのオーナーさんは連帯保証人もしくは保証会社のどちらか必須という形ではないでしょうか。中には保証会社の利用が必須という方もいらっしゃいます。
例えば全保連株式会社や日本セーフティー等がありますので、詳しく知りたい方は企業HPを覗いてみるといいかもしれません。

⑬光ファイバー

これは事務所物件だとかなり聞かれます。ほとんどの物件は引き込めるんですけど、「光は?」って質問はいっぱいされました。チラシとかには【光ファイバー引き込み可】みたいな感じで書いてあると思います。

引き込む方法は何通りかあるので大抵の物件は引き込めますが、工事が必要な物件もありますのでその時はオーナーさんや管理会社と応相談ですね。

⑭駐輪場・駐車場・バイク置場

この項目は確認事項なのですが、大抵の駐車場は料金が発生するので月いくらですか?って質問はするんですけど、駐輪場とバイク置場に関しては意外と忘れがちになります。

駐輪場は無料の物件がほとんどですが、まれに月額料金がかかる物件もあります。駐輪場って僕は無料のイメージがあります。なので駐輪場があるかないかは聞いてても、料金がかかるかかからないかまでは聞き忘れる事がありました。なので、あるなしだけではなくお金がかかるかかからないかまで聞くのがいいでしょう。

ちなみに2台目以降は料金が発生したり、1世帯1台だったり、物件によって違うので、契約の前までに元付業者やオーナーさんにしっかり聞くのがトラブル回避に繋がると思います。

バイク置場に関しても同様の事がいえるので、しっかりと聞いておきましょう。

移動手段に関する事は生活の一部なのでトラブルが起こりやすいと思います。(それを知らずに申込をして、事実を知ってやっぱやめますっていう人も中にはいますので注意して下さい。)

不動産業界のお仕事内容

いかがだったでしょうか?不動産業界のお仕事内容について少し具体的に知っていただけたら幸いです!