職務経歴書は、転職の際にほぼ必ず必要となってくるものです。
一般的なフォーマットに乗っ取った見やすいレイアウトも重要ですが内容も重要です。
採用担当者から特に見られるポイントとしては、職務経歴とそこから推測される能力、転職回数・在籍期間、志望動機・自己PRなどです。
こういった部分を元に、その人物が自社に適合した人間かどうかを見極められます。
面接へ通るための書類選考として審査されるケースも多く、新卒採用でのエントリーシート同様、いわば登竜門のようなものに値します。
では、具体的にどのように書けばいいのでしょうか。
職務経歴書については見本を見てもらった方が早いので、ご紹介します。
おおむね、こういった形です。
用紙サイズはA4で、枚数は1~2枚。4枚以上だと多い印象になります。
作成は通常、パソコンで行います。
一度作成してしまえば少しアレンジする形で様々な企業の応募にも使えるので、是非パソコンを使って作成しましょう。
本題となる職務経歴の紹介へ入る前に、冒頭で「経歴要約」「職務要約」などの見出しを付け、自己の経験や能力を要約して紹介しましょう。
行数は5行前後、200字前後がちょうどいい文量です。
その企業に活かせる経験や能力にスポットを当ててアピール出来るとベストです。
時系列に沿って、古い職務から現在の職務を順に記載するケースが多いですが、現在など近年の職務を強調したい場合は新しい職務を序盤に載せ、そこから順に古いものを載せていく形もあります。
どちらでもOKです。
特定の就業経験だけを載せるなど断片的なものにはせず、きちんと全て体系的にして載せる事で、その中で見えてくる自分の長所を相手にわかってもらえる事が大切です。
異業種であっても根本の接客要素や営業要素などは意外と共通しているものです。
どこに焦点をあてるかで、自分の経歴に筋を通らせる事は可能です。
職務経歴書はある程度のフォーマットが確立されていますが、必ずしもレイアウトなどそれを絶対踏襲した形にしなくてはならないというわけでもなかったりします。
古い職務内容については少し簡略化し、近年のものを重点的に詳しく載せるケースも多々あります。
そのあたりは柔軟に捉えていただいてOKです。
メインとなる「職務経歴」に関しては、まずはじめに以前勤めたその会社での事業内容や資本金・年商、本社所在地と設立年度、従業員数などの会社概要も記載しましょう。
会社概要を紹介したあとに、その会社での在籍期間や事業内容を記載します。
在籍期間と業務内容は表を使い、部署や店舗ごとに小分けにして記載すると分かりやすくベターです。
必須事項としては、入社・退社時期、昇進・昇格時期、異動や配属先です。
業務内容にはそれらを記載するのはもちろん、営業成績や表彰実績やマネジメント実績についても載せましょう。
成績や実績を記載する際は、具体的な数字も提示すると具体性や信憑性が増すので、是非記載しましょう。
書き方は箇条書きで構いません。
マネジメント経験に関しても、その方法や部下の人数なども記載し実績として載せると分かりやすくなります。
また、勤務を通じて行っていたボランティア活動や資格取得に向けた取り組みなども載せてOKです。
どういった業務内容に取り組み、どういった成果を上げてきたのか、どういったスキルを身につけてきたのか。
自分のキャリアを紹介していく事で、これらが明確に相手へ伝わる形を意識しましょう。
尚、各々の企業には機密事項や守秘義務などもあるので、そこは記載に注意が必要です。
取引先との関係などで具体的な名称などを明かせない場合は、「東証一部上場の企業との提携により、売上高前年比20%アップを実現しました」など差し支えのない表現へ置き換えましょう。
また、場合によっては、失敗した経験の記載もOKです。
大事なのは、失敗で終わらせただけでなく、そこからどう巻き返したかです。
解決や改善に取り組めた事は、むしろプラスです。
どういった経緯でどういった事態が起こり、そこからどのようにして巻き返していけたかを書きましょう。
内容が一番重要ではありますが、レイアウトも重要です。
レイアウトも含め、全てプレゼン能力として見られます。
見出しは少し大きめの文字サイズで太字にしたりなど、メリハリをつけるのがポイントです。
記載についても延々とただ羅列してしまうと、一見、文量自体は多くなりますがいまいちピンとこない感じになってしまうので、相手にわかりやすく伝わるよう、アピールしたい点にスポットをあてて簡潔にする事を心がけましょう。
職務経歴を各種記載したあとは、生かせる経験・能力、資格・スキル、自己PRなどについて記載します。
生かせる経験や能力については、それぞれの職務経験で書いたものの中からその企業で生かせるものをピックアップして、まとめます。
保有している資格やスキルに関しては、取得年月日を含めて簡潔に記載しましょう。
ここは特にエピソードなどは付け足さなくてOKです。
自己PRについては、これまでに培った経験や能力を元にアピールします。
職務経歴の内容も重要ですが、この項目も重要です。
その企業にとって、より評価してもらえる・戦力となるスキルに焦点を当ててアピール出来るとベストです。
その企業や職種によっても採用にあたって重視している点は変わるので、そこを汲み取ってアピールしましょう。
自社で必要としている人材像と合致するかどうか、そこを採用担当者は見てきます。
大事なのは、熱意や意欲です。
それに具体性を持たせるために、これまでの経歴を掘り下げて、その企業へあわせてすり合せて、磨き上げましょう。
転職理由についても、このあたりが明確にされていると書きやすい形になります。
自分がその企業に生かせる経験や能力を、自分自身で把握しているという事が相手に伝わるかどうかがポイントです。
このあたりは単に実務的なスキルがあるかどうかだけでなく、自己分析力やプレゼンテーション力があるというのも分かってもらえます。
きちんとした履歴書や職務経歴書を書けていない人を採用するというのは、やはり企業にとってもリスクの大きな雇用となってしまいます。
きちんとした履歴書や職務経歴書を書けているという事は論理的思考が可能な人物であると捉えてもらえ、前向きに雇用を検討してもらえます。
以上が、職務経歴書作成時の主なポイントです。
これまでの職務経歴を正確に記載するのも大切ですが、それ以上に大切なのはその企業がどういった人材を求めているかを把握したうえで、これまでの業務内容を整理して記載したり魅力的な自己PRを書けるかどうかです。
これから職務経歴書を書かれる方は、どうかご参考にしてみて下さい。